2) 下から上へアクセスする方法
この方法は前者の方法の反対で、マクロ経済や産業の条件を100%近く除外し、経営が上手な企業を見つけることを重視するのみである。この方法はどんな産業でも優良企業があるという考えに基づく。投資家は優良企業を選択するため、各企業の業績を分析し基本的な基準を比較する。評価すべき基準は下記の通り。
1 潜在的な市場の規模:これは統計データが足りないのでなかなか評価できない基準だが、商品・サービスの潜在的な市場を把握することによって企業の未来の利益を予想することができる。
2 売上高と利益が高いこと(現在と未来)。
3 綺麗なバランスシート:資本の使用・管理の信頼性が高い(負債が大きくキャッシュフロー管理の効果が悪い企業を除外する)。
4 キャッシュフロー:自由キャッシュフローが多ければ、借入れなくても各事業へ資本を調達することができ、将来の配当金増加にも繋がる。
5 シェア:優良企業はシェアを継続的に拡大し、更に新市場でも持続的に成長を拡大することができる。
たとえば、ベトナムの水産産業を見てみよう。アンザン水産(銘柄コード:AGF)、ベンチェ水産(銘柄コード:ABT)と第4水産(銘柄コード:TS4)というホーチミン証取に上場している3社がある。現在水産物に対する消費者の需要と人気が増加しているので、この商品の潜在的な市場は非常に大きいと言える。2006年にこの3社の売上高と利益は大きく増加した。
留意すべき点は、AGFの生産コストが2006年の売上高において高い割合を占めたが、その一因は、生産拡大のため1,500億ドンを投資して原料確保を強化したためだということだ。そのため、AGFの売上高は増加したが、利益の成長率がABTより低くなった。それでもベトナム第2位のバサ魚・チャ魚輸出企業としてAGFは、残りの2社より資本金が大きく、また生産拡大への投資を継続しているので、今後市場を拡大し、大きなシェアを占める可能性が高いと言える。
上記は証券投資へアクセスする2つの方法についての単なる概要的な分析である。実際に詳しく分析するためには、様々な知識と高い柔軟性が必要である。上から下へアクセスする方法は、市場の全体状況を把握するので優良銘柄であっても、あまりに大きく投資し過ぎることがないというメリットがある。
一方、通常規模が小さく、また魅力のない分野で活動している企業は投資家に見逃されやすいが、下から上へアクセスする方法によって、投資家はこれらの企業を見つけ、良い投資チャンスを獲得することができる。この方法は前者の方法より難しそうに思えるが、投資家がある産業、分野についての知識や経験を持っていれば、これらの知識や経験を活用し、良い投資チャンスを見つけることができるだろう。
(終)


印刷用ページ


