国営企業数千社の資本(数兆ドン)を管理している“超総公社”と呼ばれる国家資本投資経営総公社(SCIC)は設立からすでに1年弱の活動を行っている。しかし、SCICの組織モデル、効果について疑問を持つ意見が少なくない。記者はSCIC会長であるレ・ティ・バン・タム女史を下記の通りインタビューした。
記者)現在、SCICが政府の代表者として資本を管理している一部の企業では、SCIC代表者というのがはっきりしない立場だとする意見が出ています。SCICはどのような基準に基づき、それらの企業へ大口株主として代表者を派遣していますか?
タム会長)SCICは規模が違う数千社へ代表者を派遣しています。SCICの代表者は一般株主のように投票権のみ持っているので、共通の基準がありません。もし各企業で能力が高く、信頼性の高い管理者がいれば、我々は彼らに委任します。しかし、彼らは投資や資本の一部売却などに関することを必ず我々に報告しなければなりません。一方、生産・経営に関する全ての決定を任せます。
しかし、実際には代表者が企業の活動に参加せず、企業の経営状況を把握していないため、国営企業でSCICの代表者の役割を果たしながら重要な職位を占めている人たちに代替する予定です。
記者)設立から現在まで1年弱経ちましたが、SCICはどのような結果を得られましたか?またSCICのような新モデルを展開する時の抵抗は何でしょうか?
タム会長)我々は7兆ドン弱の総資産(簿価)を保有している700社弱の管理を委託されました。しかし、市場の価格に基づき評価すれば、その価値は7兆ドンではなく約30兆ドン(約2,080億円)です。我々は委託された企業を再構築するために基本的な分類・研究を行いました。現在、テストとして11社にある資本を売却しました。売却した資本金は1,130億ドンであり(実際には政府への回収資本はその3倍)、2007年上半期の利益が3,980億ドン(約27区6,300万円)に達しました。
いくつか大事業と呼べるものもありました。1つ目はPacific Airlines航空会社を海外戦略パートナー(オーストラリアのQantas航空会社)へ紹介し、またPacific Airlinesの資本の30%をQantasへ売却したということです。破産危機に直面していたPacific Airlinesは、利益を生み出し始めています(SCICは4,000億ドンを出資したが、現在Pacific Airlinesの資産価値は1億6,700万ドルに達した)。
2つ目はバオミン保険会社(BMI)がバオミンCMG保険合弁会社へ出資した資本を日本の第一生命保険へ売却し、バオミン保険の財務面での困難を乗り越えるのを手伝った(出資した資本の500万ドルを売却し、2,500万ドルを回収した)ことがです。
しかし、我々は多くの抵抗にも直面しています。また、SCICが活動するための法律もまだ確立されていません。SCICは新モデルであり、殆どの国営企業の資本を管理しているため、元々の企業の所有者であった各省、各部、各地方の権利に影響を与えています。SCICが資本を管理したり経営したりしない方が良いという機関管理者もいます。また、ある地方の責任者は、SCICがその地方で支店を設立しなければならないと要求してきたりしました。彼らはSCICのモデルを誤解しているのです。我々は政府の資本を投資する株主として、企業の資本を管理するのみで、その企業の活動に行政的な干渉をすることはありません。しかし、現在の給与制度が魅力的でないため、我々にとって最も困難なことは、優秀な人材を惹き付け確保していくことになっています。
記者)今後SCICの大きな投資事業にはどのようなものがありますか?また証券市場へ参加する予定はありますか?
タム会長)我々はカインホア省でのバンフォン港事業へ参加する予定です。また、ノイバイ空港より近代的な国際空港をハイズオン省で建設することを政府に申請するため、交通運輸省とハイズオン省の人民委員会と共に報告書を作成している最中です。
それから、我々は企業の数を減らし、規模を拡大し、品質を向上させ、戦略的な分野に集中し、長期的に政府が投資する必要のない分野で活動している企業にある資本と、小企業にある資本を売却する、という方向で、各企業の資本再構築を強化していくつもりです。最終的には、約100~150社の大手企業や総公社の資本(総資本が約400億ドル)だけを管理するという目標を持っています。
一方、我々は一般投資家のように証券市場には参加せず、既存株主へ発行する形での株式を購入します。また、今年度に11社、来年度に17社が上場するため、コンサルティングを行ったり戦略パートナーを紹介したりといった形でのサポートは行っていきます。


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