先週のホーチミン証券取引所での株価下落は投資家の心理的な反映したものと見られいる。ベトコム外商銀行(ベトコムバンク-VCB)のIPO(新規株式公開)を待っているからだ。
ホーチミン市経済大学の講師であるレ・ダット・チ氏は、多くの企業が2007年度第3四半期の好業績を発表したのに株価が上昇せず、第2四半期の業績発表の際にもそそうした状況であったという認識を示した。ファンドが資本投入を始める、海外投資家の大量購入していることから発生する心理的な動きが、株価を上昇させている、というのである。多くの投資家は企業の実績を元に投資するのではなく、市場心理で投資しているとチ氏は考えている。
「企業の実績を元に投資すれば、数多くの投資家はサイゴン商信株式商業銀行(サコムバンク) [銘柄コード:STB]の株式を購入し、じっと保有していることでしょう。」と同氏は語った。実際、ベトコムバンクのIPOがまだ終わっていない現在、STBの株価は動きが鈍くなっている。リー冷蔵電気工業株式会社[銘柄コード:REE]やFPTの株価にも業績が反映いるとはいえない。20万ドン/株に上昇した時期もあったが、REEの株価は、2007年第3四半期までの好業績や子会社の証券会社の設立原則承認などの良いニュースが発表されも、15万5,000~16万ドン/株の範囲で変動している。
一方で、VNダイレクトのグエン・ディン・フォン投資サービス部長は、ホーチミン証取に上場している多くの銘柄、特に不動産銘柄の株価はまだ合理的であると考えている。
第5建設株式会社 [銘柄コード:SC5]やトゥドゥック住宅開発株式会社 [銘柄コード:TDH]やリー冷蔵電気工業株式会社 [銘柄コード:REE]などの不動産銘柄は、新プロジェクトや業績の影響を受けて上昇すると推測されている。不動産市場自体が、現在は短期及び中期投資の対象として過熱しているという背景もある。ハノイ市場で暴騰しているソンダグループ銘柄も、もちろん不動産関連銘柄と呼べる。
しかし、同時にハノイ証取の株価急騰を懸念している証券投資専門家は大勢いる。ハノイ証取に上場する企業はほとんど小規模な企業であり、資本金が少なく情報公開が限られていることもあり、大口株主に操作され易いからだ。また多くの個人投資家がハノイ証取の値幅制限に惹かれているとも言える。騰落率10%という値幅制限は確かに魅力的にも見えるが、同時にリスクでもある。ハノイ証取の銘柄の流動性は依然低いため、株価が調整局面に入った途端、誰も買う人がいなくなる可能性は高い。周りの動向だけを見て投資するのは極めて問題だと言えるが、自分で自分を孤立させても仕方がない。投資家には合理的な時点、合理的な価格で取引を行う慎重さが求めれられるのである。


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