投資家を対象とした新課税制度に、証券投資税という税が検討されています。しかし、投資家は企業の株主として環境税、 付加価値税、輸入税など企業に課税されている分も負担しているではないでしょうか。税務政策を立案する人は、投資家と企業とを区別すべきではないと思います。
2009年より実施される税によって、多くの新しい個人投資家は市場から出て行ってしまうのではないでしょうか。一方で投資家も、全体的に考えた場合、合理的な税率であれば、代理手数料や情報コストなどと同じように必要経費と考えるべきでもあります。
提出された2つの課税案を見ると、売買代金に対する税率0.1%という提案の方が、売買利益に対する税率25%という提案よりも妥当性が高いと思います。様々な国、特に新興国の証券市場を研究してみると、多くの国では全ての投資家に対して定率での課税を選択していることが分かりました。
例えば、中国では証券市場がまだ発展してなかった時点では、投資家全て売買代金に対する税率を0.1%としていました。実施にもとても都合が良いわけです。現在税率は0.3%に上昇していますが、配当には税を課していません。一方で、企業の発展を奨励するために配当に課税するという国では、同時に企業所得税減税をする国もあるようです。
企業が株式配当する際に、5%を課税するという提案は不合理だと思います。株式配当というのは、企業の資金調達方式の一つであり、現金を分配しない代わりに、その資金を再投資する、ということでもあります。もし株式配当にこの税率が適用されれば、企業は株式配当を積極的には行わないでしょう。同時に短期的投機の増加や、長期的投資の減少といった影響が出ることも考えられます。


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