2) 海外の資本
2007年9月ベトナム証券市場では、VOFファンドが保有していたカンドン水力発電(銘柄コード: SJD)の320万株をベトナムインフラファンドへ売却するということが起きた。海外投資家同士での最大の株式譲渡である(この2ファンドともビナキャピタルの所属会社である)。去年VOFファンドはSJDの638万株(資本の24.5%)を1,531万ドルで購入していた。その株式数の半分を設立したばかりで資本投入を控えているベトナムインフラファンドへ売却した。VOF自身は更にポートフォリオの再構成を希望している、という。
これは何を意味しているのだろうか?SJDへの投資は安定的な利益を生み出す投資事業ではあったが、収益率という点から評価すると、この投資は上場優良銘柄を含むVOFの投資ポートフォリオの中では、最も低いものだったということである。この株式譲渡は、海外ファンドの年末時点における資本投入圧力を証明しているともいえる。しかしだからといって、その圧力がどれ程大きくても、海外投資家はどんな価格でも株を購入するということではない。
一方で、CLSAコンサルタント会社(フランスのBNP-Parisbas-NV金融グループに属し、香港を拠点とするアジア太平洋地域投資コンサルタント会社)が2007年10月11日に発表した「貪欲と恐れ(Greed & Fear)」というレポート中で、CLSA社は海外投資家へ慎重に対処すべきだとアドバイスしている。
上場市場では上位銘柄の2008年の予想利益に基づくPERが再び25倍程度に上昇している。また大手会社のIPOに参加することについて言えば、海外投資家は株式競売を通して株を購入することができるか?という懸念もある。検証されてない最新情報によると、海外投資家はベトナム外商銀行(ベトコムバンク-VCB)の今度の株式競売(資本金の6.5%)には参加することができない可能性があるという。
またCLSA社は、オランダ形式にしたがっている現在のベトナムの株式競売システムは、投資家(特に株式競売を通して財産を取得したいと考ええている戦略的投資家)に高い価格での入札を促すものであると指摘している。もちろんベトナム政府はそれらの財産に対する市場の需要を良く理解しており、安い価格では売却したくないと考えている。
海外投資家にとっては、ベトナムで優良銘柄を安い価格で購入するチャンスが以前より少なくなっている、と言えるのかもしれない。そしてひとたび投資をするとなれば、彼らは上場銘柄、若しくは上場準備銘柄へより多くの資本を投入することになるだろう。しかし、一部企業の財務指数は投資できるレベルを超えていることもあり、VNインデックスが1,100ポイントを超えると、海外投資家の売りが増加し、買いは縮小することも考えられる。海外投資家も、一方では(資産運用のための)資本投入という圧力を受け、もう一方では投資効果を示す圧力も受けているという状態に陥っているのだ。
3) 海外は海外を仲介して
現在ベトナム株を直接売買することができない海外投資家は、ベトナムへ投資している他の海外投資機関の投資事業に積極的に参加している。CLSA社によると、台湾の上場企業41社が、ホーチミン証券取引所の優良5銘柄を含むCLSA社の台湾ベトナムインデックスへ投資しているという。
またシティグループ、ドイツ銀行、メリルリンチ等の世界の大手金融グループに属する金融機関も海外投資家へ彼らの投資ファンド銘柄を販売している。これらのファンド銘柄の時価総額が20億ドルに達した時点もあるという。海外投資家がこれらの金融機関へベトナム株の購入を依頼した場合、平均手数料は売買代金の2%程度となる。当然ベトナム管理当局はこの資本の流入を管理することができないが、これらの動きを観察し予測しておく必要はあるだろう。
(終)
*関連ニュース:流入資本の変化(1)


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