救済策を探る
株価変動幅が1-2%から、2-3%へと拡大された後、国家証券取引委員会のグエン・ソン市場開発部長は、2008年4月3日に「委員会は市場が不安定になれば、強力な救済策を講じます。」と記者会見で語っている。
現在、2つの取引所における相場傾向は下落、および不安定な兆候を示している。投資家は様子見し、国家証券取引委員会が近々採用すると思われる救済策を見守っている。
多くの投資家の単純な理解の仕方として、救済方法は、確実そして迅速な効果があり、インデックスの下落を防ぐもの、と考えられている。どんなことが想定されているのか?
1 一定期間、市場取引を中止
2 インデックスが危険領域まで下落したら、市場を閉鎖
3 株価変動幅制限
4 外国人投資家の「ルーム(株式保有制限枠)」拡大
5 商業銀行の担保割れ株式売却の規制
6 国家資本投資経営総公社(SCIC)の市場介入
最初の救済策は非現実的であろう。この救済策を実現するためには、それぞれの証券会社の意見を調整し、同意を取り付けなければならない。国家証券取引委員会もショック療法が必要だとは思っていない。この救済策では下落という病巣を治療することはできない。
2つ目の救済策も、インデックスはどこからを危険領域と呼べばいいかの判断が難しい。
最後の2つ(5と6)は、国家証券取引委員会と財務省が過去にそれぞれ採用したものの、期待したような効果が得られなかった救済策である。
それでは3と4の救済策はどうだろうか?
株価変動幅の制限-「過去」への回帰は難しい?
多くの途上国の株式市場では変動制限がない。しかし一部の途上国や先進国では変動率は様々であり、大きな違いがある。例えば、オーストリア、エジプト、トルコでは5%、台湾では7%、インドでは8%、アルゼンチン、メキシコ、スペイン、中国では10%、ポルトガル、韓国、ペルー、フィンランドでは-5%:+10%、フランス、イタリアでは-10%:+20%、フィリピンでは-30%:+40%などである。中国では、4年間変動制限がなかったが、その後、1996年12月に現在の変動率に移行した。
ベトナムの市場管理当局は、過剰に変動する危険性が少ない固定変動率制を好む傾向にある。しかし固定変動率制は、流動性に関して問題があり、株価調整の過程が長期化したり、それによるリスクが発生することが指摘されている。
それでは、証券取引委員会は再び変動幅を制限するだろうか?
実際問題として、3月末に変動幅を1-2%に引き下げた時、市場の流動性がほとんど失われてしまった。現在の2-3%という変動幅でも市場の流動性は低くなっている。こうしたことから考えれば、国家証券取引委員会が「過去」への回帰はないだろう。
外国人投資家の「ルーム」-適切な水準はどこか?
外国人投資家の「ルーム(株式保有制限枠)」を広げる話題は、2007年9月末の新聞紙上で大きな話題となった。
しかし、当時、国内外のインフレや相場の下落は現在ほど懸念されていなかった。当時は外国間接投資(FII)の誘導が問題とされており、そのため、外国人投資家に市場を開放して現状を打開することは、一時的なリスク回避にしかならないとする意見が多かった。それよりも、優良証券を増やして市場の流動性を高めることが確かな救済策とされた。
しかし現在、局面は違ってきている。株式市場における外国人投資家の株式所有率を49%以下とする規定は2005年9月29日に公布されたが、既に長い時間が経っており、これをもう一度検討する必要があるのではないだろうか。「ルーム」を広げるシナリオはかつてVnEconomy紙上でも注意深く検証されてきた。
問題は、どこまで「ルーム」を拡大するのが適切かという点であろう。これについて明確な論理的根拠はないものの、現実的な回答はできる。近頃ロシアでは、外国人投資家が投資可能な企業、不可能な企業、規定内の規模で投資できる企業について、その業種をそれぞれ正式に発表し、残りについては完全に開放した。
それでも「ルーム」の拡大という救済策を選んだ場合、筆者の考えでは、それが十分なレベルまで開放されない限り、期待通りの効果はあげられない。
強力な救済策とは何だろうか?投資家たちは国家証券取引委員会と財務省の次の一手に大いに期待を寄せている。


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