電子商取引(eコマース=EC)データを手掛けるメトリック(Metric)が発表した最新レポートによると、2025年1~9月期におけるECサイト上位4社の売上高(Net Merchandise Value=純商品価値)合計は前年同期比+34.4%増の305兆9000億VND(約1兆7600億円)に増加し、販売商品数は同+19.8%増の29億1270万点となった。
7~9月では、売上高合計が前期比+2.6%増の103兆6000億VND(約6000億円)となり、年初の停滞からの回復基調が明確になった。
ECサイト上位4社は、◇ショッピー(Shopee)、◇ティックトックショップ(TikTok Shop)、◇ラザダ(Lazada)、◇ティキ(Tiki)。
ショッピーは7~9月の市場シェアが56%で首位を維持したが、売上高の伸びは前年同期比+4%にとどまった。一方、ティックトックショップは同+69%の高成長を達成し、シェアを30%から41%へと拡大した。「エンタメ×ショッピング」モデルの浸透が進み、若年層を中心に支持を拡大している。
ラザダはシェア3%を維持しつつも売上高が同▲10%減少し、ティキは同▲80%と大幅に減少した。
同期のショッピーの国内売上高は53兆4000億VND(約3040億円)で売上高全体の92%を占め、このうちホーチミン市が46%、ハノイ市が38%となっている。周辺の旧ビンズオン省(現ホーチミン市)、旧ロンアン省(現タイニン省)、北部紅河デルタ地方フンイエン省でも成長が目立ち、物流拠点の地方分散が進んでいる。
輸入品について、販売量は同▲10%減少したものの、売上高は平均販売価格の上昇が寄与し、同+27%増の4兆4000億VND(約253億円)となった。為替変動や物流コストの上昇、商品構成の変化が背景にある。
公式ショップは全店舗の2.64%にすぎないが、7~9月のショッピーとティックトックショップの売上高合計の35.7%を占めた。ティックトックショップでは公式ショップ数が前年同期比+51.9%増え、売上高も同2.15倍と急拡大が続いた。一方、ショッピーの公式ショップ数は同▲38.1%減少しながらも、売上高は同+6.5%増加し、運営の効率化が奏功した。
カテゴリー別では、美容関連が17兆7000億VND(約1020億円)で引き続き売上高1位を維持した。以下、家庭用品・生活用品の13兆8000億VND(約790億円)、レディースファッションの12兆1000億VND(約700億円)が続いた。電子機器では、米アップル(Apple)の製品が同+72.2%と最も伸び、サムスン(Samsung)、シャオミ(Xiaomi)、グージョドック(GOOJODOQ)が続いた。
メトリックによると、10~12月のECサイト上位4社の売上高は前期比+1.4%増の105兆VND(約6000億円)、販売商品数は同+8.1%増の10億6900万点となる見通しだ。同期に開催される11月11日と12月12日のセールや年末商戦が、EC市場の成長をさらに押し上げるとみられる。


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