アジア開発銀行(ADB)が10日に発表したアジア経済見通しに関する最新レポートによると、2026年のベトナムの国内総生産(GDP)成長率は+7.2%、2027年は+7.0%と予測され、東南アジア諸国連合(ASEAN)の途上国の中で首位となる見通しだ。
経済成長の原動力と各分野の予測
ADBベトナム事務所のチーフエコノミストであるグエン・バー・フン氏によると、2026年の成長の原動力は公共投資の推進と金融緩和策の実行にあるという。海外直接投資(FDI)と輸出は引き続き主要な成長エンジンとなるものの、中東紛争や米国の関税政策などの外的要因が投資資金の流れや輸出活動に影響を与える可能性がある。
分野別の成長率予測については、工業が2025年の+9.2%から2026年には+7.7%へ低下する一方、サービス業は観光業の回復やテクノロジーを活用した活動の増加により+7.5%の成長を見込む。また、農業は+3.6%で安定的に推移すると予想されている。
インフレ圧力とエネルギー問題への対応
インフレ率については、2026年に+4.0%へと上昇した後、2027年には+3.8%に低下すると予測されている。長期化する中東紛争による原油価格の上昇と変動に加え、拡張的な財政政策や金融緩和策が内需を刺激し、インフレ圧力を高める要因となる。さらに、公共投資の加速や貸出活動の伸び、通貨ドン安も国内コストの上昇圧力につながる見込みだ。
ADBベトナム事務所のシャンタヌ・チャクラボルティ所長は、エネルギー供給の混乱に対するベトナム政府の迅速な対応を評価しつつ、長期的にはエネルギー効率の向上とクリーンエネルギーへの移行が重要だと述べた。
社債市場の強化と政策提言
政策対応の観点からは、銀行信用以外の長期的な資金を動員し、持続可能な投資を支援するための社債市場の強化が不可欠となっている。透明性の向上、一貫した法的枠組みの確保、市場参加者の拡大が投資家の信頼を改善するための鍵となる。
これらの改革が効果的に実施されれば、社債市場は安定的かつ長期的な資金供給源として、持続可能で包摂的な経済成長を支える重要な柱になると期待されている。


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