チャン・タイン・マン国会議長は1日午後に開かれた国会常務委員会の会議で、2026年1~3月期の国内総生産(GDP)成長率が+8.0~8.3%となる見込みだと明らかにした。高い成長が見込まれる一方で、マン国会議長は各指標を実質的に評価するという書記長の指示を改めて強調した。
二桁成長と2030年に向けた目標
マン国会議長は、今後の目標として+7.5~9.0%の成長率達成を目指し、特に+10%の成長に向けて決意を固める必要があると述べた。また、2030年までに国民1人当たりGDPを約7500USD(約120万円)に引き上げ、デジタル経済が経済規模の約30%を占めるようにし、全国の都市化率を50%超にするという目標を掲げた。
二桁成長を達成するためには、南北高速鉄道や原子力発電などの原動力となる戦略的インフラプロジェクトに集中し、制度改革を推し進める必要があると強調した。同時に、5000kmの高速道路や都市鉄道の完成も重視すべきだとした。
外部リスクと国内経済の課題
また、ブー・ホン・タイン国会副議長は、中東情勢の悪化によるエネルギー安全保障リスクの高まりやサプライチェーンの分断が、インフレ、為替レート、金利などに影響を及ぼしていると指摘した。さらに、米国などの主要経済国による関税政策が予測困難で、保護主義や貿易防衛措置が高まるリスクが潜んでいると警告した。
国内においては、マクロ経済は基本的に安定しているものの、銀行システムの流動性や金利、為替レートは不安定な動きが続いており、企業の生産・事業活動も依然として困難な状況にある。公共投資の実行進捗も要求を満たしていないことから、副議長は政府に対してインフレや為替レート、エネルギー市場の変動などのリスクに注意を払うよう求めた。
持続的成長に向けた解決策
レ・クアン・マイン国会事務総長 兼 国会官房長官は、+10%の成長目標を連続して達成することは、「中所得国の罠」からの脱却に向けた大きな課題だと分析するとともに、現在の人口ボーナスや財政余地を十分に活用できなければ、先進国入りの機会を逃す恐れがあると警告した。
また、限界資本係数(ICOR)が過去10年間改善していない点を指摘し、短期的な対応策として海外直接投資(FDI)などの民間投資の促進を挙げた。長期的には、国家の生産性を高めるとともに、ロンタイン国際空港や南北高速鉄道といった主要プロジェクトを一体的に推進する必要があると提言した。
2025年のベトナムのGDP成長率は推定で前年比+8.02%となり、国会目標の+8.0%以上を達成した。名目GDPは初めて5000億USD(約80兆円)を超え、1人当たりGDPも5000USD(約80万円)を突破している。
2026年の通年成長率について、各国際機関は概ね高い水準を予測しており、ASEAN+3マクロ経済調査事務局(AMRO)は+7.6%、シンガポール系ユナイテッド・オーバーシーズ銀行(UOB)は+7.5%、英スタンダードチャータード銀行は+7.2%と見込んでいる。一方で、中東紛争の影響により、政府目標に対して最大で▲1.5%pt低下する可能性があるとの予測も出ており、今後の動向が注視される。


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