会員ログイン ID   パスワード

会員登録・延長手続 パスワード確認  IDとパスワードを記憶させる
ベトナム株情報 > ベト株ニュース > ハノイ証取 > ベトナム証券市場の縮小版、SSI 30(2)

ベト株ニュース - ハノイ証取

  
  

ベトナム証券市場の縮小版、SSI 30(2)

2007/09/14 19:29 JST更新

 金融業は利益が高い産業だと評価されているが、多くの銀行は大量に新株を発行したため、1株当り利益(EPS)の希薄化を引き起こした。2007年2月中旬ごろ金融関連銘柄の株価はかなり高かったが、最近は銀行銘柄の株価下落の影響を受け、金融関連銘柄の株価は全般的に下落している(そのうちアジア銀行-銘柄コード:ACBとサイゴン商信銀行-銘柄コード:STBは金融関連銘柄の時価総額の53%を占める)。ACBとSTBのファンダメンタルズ指数は全て良いと言える。この2行は、ともに2007年度上半期に2006年度利益を上回る利益を生み出した。 ACBとSTBの利益成長率は2007年に110%に達し、2008年には45%を達成出来る見込みであり、中国とシンガポールの銀行の利益成長率より高い。しかし、直近数週間で不動産銘柄と証券銘柄の株価が7月頭に達した抵抗レベルを突破できなかったため、ACBとSTBの株価が下落し、金融関連銘柄の株価指数を引き下げる主な要因となった。

 こうした積極的な評価の他、SSIリサーチはSSI 30指数を構成する企業の発展に関する懸念も示している。最初の懸念は利益の成長の本質についてである。資産運用から生み出される利益の役割がより重要になっているからだ。例えば、ベトナムミルク(銘柄コード:VNM)、リー冷蔵電気(銘柄コード:REE)、キンド食品(銘柄コード:KDC)、トゥドゥック住宅開発(銘柄コード:TDH)等の企業では、資産運用活動からの利益が増加している。しかし、SSIリサーチによると、2007年末に生産活動による利益/税引前利益の比率が99.3%に戻るため、この問題は警戒するほど酷くはないが、注意すべきではあるという。

 一方、SSI 30の各企業は大きな投資事業に大望を抱いているため、現金配当率が基本金利よりかなり低い。株式による配当を支払う他、SSI 30の各企業の2007年の平均現金配当率は僅か2%のみである(基本金利は8.5%/年)。現金配当率が低いということは新興国市場では一般的なことであるが、2007年にベトナム市場の現金配当率と基本金利との間の偏差は中国の偏差(5%)と韓国の偏差(3.3%)をかなり上回っている。現在、ベトナムの個人投資家は配当率をよく誤解している。企業は配当率を高いレベル維持する計画を発表しているが、それはあくまでも額面価格比での配当率である。

 また、SSIリサーチによると、最も心配なことは上場企業のコーポレート・ガバナンスに関する問題であるという。最も注目されている3つのことは、少数株主の権利をいかに守るか、また財務状況の情報公開性、そして財務以外の情報の明確性である。コーポレート・ガバナンスが問われるのは、主に取締役会、執行役員会の認識が不十分なためである。管理当局の監督活動と投資家からの圧力によって、こういった状態が改善されるのではないか、とSSIリサーチでは期待している。

 最後に、経済が急速に発展し(そのうち工業とサービス産業の成長率がかなり高く、それぞれ9.88%と8.41%に達し、輸出総額が19.4%増加、社会全体の総消費量が22.9%増加している)、WTO加盟後に海外直接投資(FDI)が大きく増加していることを背景に、今後ベトナム証券市場は持続可能な発展を遂げていくとSSIリサーチでは予想している。

(終)

  
  

ベトナム株情報 > ベト株ニュース > ハノイ証取 > ベトナム証券市場の縮小版、SSI 30(2)