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伊藤忠、ビナテックス株を追加取得―民間筆頭株主に

2018/04/03 18:29 JST更新

 伊藤忠商事株式会社(東京都港区)は、同社の子会社である伊藤忠テキスタイルプロミネント(アジア)(ITOCHU Textile Prominent (ASIA)=IPA)を通じ、ベトナム繊維・衣料グループ[VGT](Vinatex)の株式を追加取得した。

 これにより、伊藤忠商事はベトナム政府に次ぐ民間筆頭株主となった。今後は、戦略的パートナーとして、ビナテックスの企業価値向上とさらなるシナジーの拡大に取り組む方針。

 ビナテックスは、1995年に設立され、繊維業界80社超の子会社・関連会社と10万人超のグループ従業員を擁するベトナム最大の繊維企業グループ。伊藤忠商事とビナテックスは1990年代にアパレルOEM関連の取引を開始して以来、長年にわたり信頼関係を築いてきた。

 伊藤忠商事では、かねてより繊維製品のアジア地域における生産基盤の強化と適地生産体制の構築に注力しており、2015年には子会社IPAを通してビナテックスの株式を取得し、ベトナムにおける一貫生産体制の構築に取り組んでいる。

 ベトナムでは、欧州連合(EU)との自由貿易協定(EVFTA)の発効などを視野に繊維産業への設備投資が活発化し、中国に次ぐ繊維製品の生産地として注目を集めている。また、欧州の大手アパレルが相次いでベトナム市場に進出するなど、所得水準の向上などを背景に衣料品の需要も高まっている。

 こうした中、戦略的パートナーとしてビナテックスとの協業関係をさらに強固にすることで、関税メリットを活用したトレードの拡大やASEAN市場に向けた新規ビジネスの創出など、さまざまなシナジー効果が期待される。

 今後は、ビナテックス傘下の優良縫製拠点および伊藤忠グループの持つグローバルネットワークを活用し、欧米および日本・中国を含むアジア地域などへの縫製製品の販売強化などにより、双方のさらなる企業価値向上とビジネスの拡大を目指していく。

  
  

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