携帯電話小売・家電小売の最大手で、ミニスーパー事業も拡大中のテーゾイジードン投資[MWG](Mobile World Investment Corporation)は、11月末に北部紅河デルタ地方ニンビン省に食品販売チェーン「バックホアサイン(Bach hoa XANH、グリーン百貨)」を複数店舗オープンし、北部市場への進出を本格化する。
バックホアサインは約10年にわたり南部で事業を展開し、その後は中部でも店舗網を拡大してきた。今回の北部進出は、事業戦略上の重要な節目となる。
バックホアサインはニンビン省について、中部ロジスティクス拠点からの距離が近く、運営効率を確保しやすいことに加え、北部消費者の購買行動を把握する上で適した場所と位置付けている。同社は同省を「戦略的な足掛かり」とし、段階的な出店拡大を進めていく方針だ。
新店舗では、北部の需要に合わせた品揃えや地域性のある商品、高価格帯商品を強化する。また、物流網やサプライチェーン、人材体制などを整備し、開業初期から安定した運営を目指す。
11月13日時点で、バックホアサインの店舗数は全国2415店舗となり、2024年末比で+645店舗増加し、2025年の新規出店目標(620店舗)をすでに上回った。1〜9月期の売上高は前年同期比+約14%増の34兆4000億VND(約2000億円)で、MWGの売上高全体の30.3%を占めた。同年の税引後利益は6000億VND(約35億円)超となる見通しだ。
バックホアサインは2026年以降、年間約1000店舗のペースで出店を加速し、2028年に新規株式公開(IPO)を目指す。ただし、▲約7兆VND(約▲410億円)の累積赤字を解消するには、今後2年で年間数兆VND(1兆VND=約58億円)規模の利益確保が必要となる。

