太平洋横断株式会社[銘柄コード:PAN]は700億ドン(約4億5,460万ドン)から1,420億ドン(約9億2,210万ドン)への増資計画を取消した。理由は株式市場の悪化によるものと報告されているが、増資計画を破棄したのは同社が初めてである。
PANは2007年11月8日に、700億ドンから1,420億ドンへの増資に関して株主意見聴取を行った。
・既存株主への新株発行:700万株
・発行価格:3万ドン/株
・株式割当:1対1
・幹部社員への新株発行:20万株
・発行価格:3万ドン/株
調達資金はおよそ2,160億ドン(約14億260万円)である。
国家証券委員会は2008年1月29日にPANの新株発行を認可した。現行規定では同社は2008年4月27日までに新株発行を完了させる義務がある。
意見聴取を行った時点でのPAN株価は18万4,000ドン、しかし1月29日には13万9,500ドンまで下落し、認可取得時点から24%の下落となった。テト旧正月後、同社の株価下落は更に進み、4月18日には4万4400ドン、つまり5ヶ月前の株価から75.87%下落してしまった。このような状況では、PANは新株発行を中止せざるを得ず、プロジェクト資金を他のチャンネルから調達することに決めた。
長く続いてきた大暴落が企業の資金調達を困難にさせている。PAN以外にも、新株発行を中止しなければならない企業は何社か出てくるであろう。企業の資金調達を円滑にすると考えられている新株発行が本来の意味を失っているといっても過言ではないだろう。