2026年7~9月のホーチミン市の住宅市場は、金利上昇や買い手の慎重姿勢を背景に、取引が低迷している。不動産仲介大手CBリチャードエリス(CBRE)ベトナムによると、同四半期に新規供給された分譲マンションの吸収率は前四半期比▲24%pt低下の45%に落ち込んだ。
新規供給量も前年同期比▲53%減の3267戸となった。1~9月期の累計供給量1万4028戸のうち8400戸以上は旧ビンズオン省地域に集中している。平均販売価格は一次市場が前四半期比▲2%減の7500万VND(約46万円)/m2、二次市場が前四半期比▲4%減の約6000万VND(約36万6000円)/m2となった。
ベトナムの大手オンライン不動産仲介サイト「バットドンサン(Batdongsan=不動産)」<Batdongsan.com.vn>が仲介業者530人を対象として実施した調査では、63%が「買い手は依然として様子見の姿勢で、購入に慎重だ」と回答した。高い借入金利や資金繰りの制約などが取引の障壁となっており、48%の仲介業者が「前四半期比で取引件数が▲50%超減少した」と回答した。
デベロッパー側は金利優遇や支払い期日の延長で需要喚起を図るが、販売価格と実需層が購入可能な価格水準には依然として隔たりがある。需要は郊外へシフトしており、旧ホーチミン市域外の物件への関心のうち、旧ビンズオン省地域の物件が占める割合は2024年1~3月の9%から2026年7~9月には30%へと急増している。
取引が低迷する一方、インフラ整備が進むエリアでは価格上昇もみられる。ホーチミン市都市鉄道(メトロ)1号線(ベンタイン~スオイティエン区間)とハノイ大通り(Xa lộ Hà Nội)の沿線1km圏内にある分譲マンションの売り出し価格は、2016年の3060万VND(約18万7000円)/m2から2026年には7290万VND(約44万5000円)/m2へと約2.4倍に上昇した。専門家は、単なる供給拡大ではなく、実需に見合った価格設定と物件構成の見直しが市場回復に不可欠だと分析している。


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