地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)の子会社で、米ナスダック証券取引所(NASDAQ)上場の電気自動車(EV)メーカーであるビンファストオート(VinFast Auto=VFS)は11日、インドの大手民間銀行HDFC銀行(HDFC Bank)と覚書(MOU)を締結した。両社はインド市場でのEV購入促進に向けた金融支援の強化で協力する。
今回の提携により、ビンファストの顧客は競争力のある金利や多様な分割払いプラン、車両登録費用を全額カバーするローンなど、柔軟な金融サービスを利用できる。HDFC銀行はビンファストのすべてのショールームにスタッフを常駐させ、購入手続きを直接サポートする。
ビンファストは、HDFC銀行の広範な支店網とデジタル基盤を活用することで、都市部だけでなく、新興地域にも販路を広げる方針だ。両社の連携は、急拡大するインドのEV市場において、持続可能なモビリティの普及を後押しするものとなる。
ビンファスト・アジアのファム・サン・チャウ社長は、「今回の提携は、インドの顧客に利便性の高いEV購入体験を提供するとともに、代理店などのパートナーも含めた金融エコシステムの構築に貢献する」と語った。
HDFC銀行の小売資産部長のアーヴィンド・ヴォーラ氏は、「EVの普及を加速するには、資金へのアクセスを容易にすることが不可欠だ。今回の協力は、顧客がビンファストの高品質なEVを手軽に購入できる環境を整えることにつながる」と述べた。
ビンファストは現在、新型モデル「VF 6」と「VF 7」のインド市場への投入を予定しており、今回の提携は同社の現地ネットワーク拡大と顧客基盤強化に向けた重要な一歩となる。