中東情勢の緊迫化に伴う液化石油ガス(LPG)の供給懸念が高まる中、国内で唯一、一貫した生産体制を築いている最大手ガス会社ペトロベトナムガス[GAS](PV Gas)は、調達先の多様化を進め、国内市場への安定供給を確保している。また、ファム・ミン・チン首相はエネルギー協力などを目的に3月22日からロシアを公式訪問している。
米国やオーストラリアからの輸入を拡大
中東地域はこれまでベトナムのLPG輸入量の約70%を占めていたが、ホルムズ海峡の輸送混乱リスクなどにより、LPGの国際価格が一時2倍に跳ね上がるなど、世界的なエネルギー供給網が脅かされている。これを受け、GASは米国やオーストラリア、東南アジアなどからの調達にシフトしている。
20日には、オーストラリアから約3万8000tのLPGを積んだ船がティバイ港(ホーチミン市)に到着した。これに先立ち、世界最大のLPG生産・輸出国である米国から5000tを輸入したほか、4月にも米国からさらに約4万8000tを追加輸入する計画だ。
利益度外視で国内の価格安定に寄与
輸入拡大に加え、GASは国内のガス処理工場の稼働を最適化し、LPGとコンデンセートの生産量を引き上げている。さらに、工業用顧客向けにパイプラインガスや圧縮天然ガス(CNG)の供給を増やし、LPGの需要圧力を軽減させている。
特筆すべきは、大口顧客との特別な協力メカニズムだ。顧客が需要を登録し、GASが調達窓口となって実費ベースで販売を行っており、利益を上乗せしていない。これにより、企業や消費者の負担を和らげ、3月と4月の国内供給を確保するとともに、5月の需要の大半も満たす見通しだ。
チン首相がロシアを訪問、エネルギー協力を深化
一方、チン首相は22日から25日にかけてロシアを公式訪問している。ミハイル・ミシュスチン首相らロシアの高官と会談し、新エネルギー、インフラ、ハイテクなどの分野における協力の方向性について協議する予定だ。この訪問は、エネルギーの安定確保と両国の包括的戦略的パートナーシップを実質的に発展させる重要な一歩と位置付けられている。


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