シンガポール系調査会社モメンタム・ワークス(Momentum Works)はこのほど、2025年における東南アジアの主要6か国(インドネシア、タイ、シンガポール、フィリピン、マレーシア、ベトナム)のフードデリバリー市場に関する年次レポートを発表した。
レポートによると、同年のベトナムにおけるフードデリバリーサービスの流通取引総額(GMV)は前年比+19%増の21億USD(約3200億円)だった。規模は東南アジア主要6か国で最小だったが、成長率は高水準を維持した。一方、伸び率は前年を下回った。同年に北部と中部で台風や洪水が発生し、配達や消費行動に影響したことが背景にあるとみられる。
ベトナムで最も人気のあるフードデリバリーアプリは、グラブ(Grab)の「グラブフード(GrabFood)」とフーディ(Foody)の「ショッピーフード(ShopeeFood)」で、GMVシェアはともに48%を占めた。地場ビーグループ(Be Group)の「ビーフード(beFood)」は4%にとどまっている。
不動産開発を中核とする民間複合企業ビングループ[VIC](Vingroup)傘下のビンファスト(VinFast)製電気自動車(EV)・電動バイクのレンタカー・タクシー会社グリーン・スマート・モビリティ(GSM)の「サインSMゴン(Xanh SM Ngon)」も2025年6月にフードデリバリー市場に参入したが、現時点では大きな売上を記録していない。
市場では競争激化を背景にプラットフォームの淘汰が進行している。2023年には6社が競合していたが、韓国系ウーワブラザーズ(Woowa Brothers)の「配達の民族(Baemin)」が2023年末に、インドネシア系ゴジェック(Go-Jek)の「ゴーフード(GoFood)」が2024年に、地場系ローシップ(Loship)も同年末に撤退しており、現在は少数の大手による競争構造となっている。
なお、米グーグル(Google)とシンガポールのテマセク(Temasek)、米コンサルティング会社ベイン・アンド・カンパニー(Bain & Company)が共同で実施・公表した調査レポート「e-Conomy SEA 2025」によると、2024年のベトナムの配車・フードデリバリー市場規模は前年比+20%増の約50億USD(約7700億円)となり、2030年には約90億USD(約1兆3900億円)まで拡大する見通しだ。


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