英系コンサルティング会社のプライスウォーターハウスクーパース(PwC)のレポートによると、2026年上半期(1~6月)の東南アジア諸国連合(ASEAN)主要6か国(ASEAN-6)における自動車販売台数は前年同期比+11.1%増の約176万台となった。
中でもベトナムは同+31.1%増と最も高い伸び率を記録し、市場全体を強力に牽引している。ハイブリッド車(HEV)や電気自動車(EV)などの電動車(xEV)需要の急増が成長を後押ししており、地場系ブランドがホンダ(Honda)や三菱自動車を抑えて東南アジア主要ブランドの3位に浮上するなど、地域全体の市場勢力図が大きく変化している。
電動化の加速と市場の拡大
ASEAN-6の国別伸び率は、ベトナムの+31.1%増に続き、インドネシアが+15.9%増、タイが+15.1%増、シンガポールが+6.9%増、マレーシアが+2.6%増となった。一方、フィリピンは▲6.1%減となった。
ベトナムでは堅調な国内総生産(GDP)成長や輸入車需要増に加え、HEV販売が+83%増と急増した。ASEAN-6におけるxEV比率は32%へ拡大し、ベトナムでは上半期に約12万7000台の乗用xEVが販売された。維持費を抑えられるHEVは現実的な選択肢として人気を集めている。
ビンファストの急成長と主要ブランド上位進出
PwCの動向調査によると、不動産開発を中核とする民間複合企業ビングループ[VIC](Vingroup)傘下の電気自動車(EV)メーカーであるビンファスト(VinFast)は、2026年上半期に前年同期比+72%増となる約12万1000台を販売した。これにより同社はブランド別販売ランキングで、前年同期から3ランク上げ、首位のトヨタ(約44万台)、2位のマレーシアのプロドゥア(Perodua、約15万8000台)に次ぐ東南アジア第3位へ躍進した。
三菱自動車(11万1718台)やホンダ(約10万7000台)といった日系大手を超える販売実績を達成し、主要ブランド中で最も高い成長率を記録した。ベトナム国内では上半期に約11万6000台を納車してシェア約40%を握るほか、インド市場でも9月のEV登録数が2500台を超え、2か月連続で同国での月間過去最高を更新するなど海外展開も加速させている。
エコシステム構築と日系各社の対応
市場の競争軸は車両販売台数から、充電網やアフターサービス、金融サービスなどのエコシステム構築へとシフトしている。ビンファストはベトナム全国に約15万口の充電ポートを展開し市場での優位性を固めている。
中国勢も地域xEV市場で47%のシェアを占めるなど存在感を強める中、日系メーカーも投資を強化している。トヨタ・モーター・ベトナム(Toyota Vietnam)は北部地方フート省の工場近代化とHEV生産ライン建設に3億6000万USD(約570億円)を投資する計画で、ホンダベトナム(HVN)も同省でCR-VのHEVモデル組み立てを進めている。


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