先日ビナミルク(銘柄コード:VNM)は、新規発行する株式(現在の資本の5%であり、増資後の資本のおよそ3%相当)をシンガポール証券市場で上場することを国家証券委員会(SSC)に認可された。
これにより、発行株式総数に対する外国人保有枠(ルーム・49%)を確保するため、ベトナム株式市場での海外投資家のルームは46%しか残らないことになった。
ホーチミン証券取引所と証券保管センターは、技術面で互いに協力し、49%という比率を確保する。VNMはベトナムとシンガポールで同時に上場する最初のベトナム企業となる。
これに先立ってホーチミン証取(HOSE)とシンガポール証取(SGX)は協力覚書を締結した。VNMの両取引所での上場は、HOSEとSGXとの間の協力の結果といえるだろうか?
国際通例に沿って同時に上場する等の具体的な協力内容に対して、両取引所と両国の国家証券委員会は市場間の公平性や妥当性を確保するため、上場管理体制、情報公開、そして市場監督に関する詳しい準備をしなければならない。しかし実際にSSCとHOSEはこうした体制のために何の準備をしたのだろうか?
SGXの上場基準、及び情報公開による上場企業の透明性はHOSEより高いため、当然シンガポールにおける投資家はベトナムでの投資家より情報に効果的に接近することができる。これは、ベトナムの管理当局やマーケットメーカーが希望していることなのだろうか?
現在、市場はVNMから海外上場の目的について納得のいく発表を待っている。またVNMがシンガポールに現在の資本の5%(1兆7,520億ドン)しか上場しないことで、一体何を獲得するか?ということを見極めようとする動きがある。一方、VNMの株主にとって、まず注目されているのがコンサルタントや上場手続きに関する初期費用、及び今後SGXで上場規定を遵守するために発生する費用である。
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