楽天インサイトが発表したベトナム配車アプリに関する調査報告によると、シンガポール系配車アプリ大手グラブ(Grab)がライドシェア市場でシェア55%を占め、他を大きく引き離して首位を堅持した。
地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)傘下のビンファスト(VinFast)製電気自動車(EV)・電動バイクのレンタカー・タクシー会社グリーン・スマート・モビリティ(サインSM=GSM)は32%で2番手。地場ビーグループ(BE Group)が9%で3番手に続いた。
注目すべきは、ロシア系マクシム(Maxim)がシェア1%を獲得して初めてランキングに登場したことだ。なお、地場系マイリン(Mai Linh)は2%、地場系ビナサン(Vinasun)は1%だった。
この調査は、◇ハノイ市、◇北部紅河デルタ地方ハイフォン市、◇南中部沿岸地方ダナン市、◇ホーチミン市、◇南部メコンデルタ地方カントー市の5都市に住む16歳以上のユーザー7436人を対象にオンラインで実施された。
調査結果によると、77%が配車アプリを月3回以上利用していると回答した。利用目的は、通勤手段よりも特別なイベントに参加するための移動手段が多くを占めており、◇社交的な会合が42%、◇デートや飲み会が37%、◇ショッピングが36%、◇イベントやパーティーが33%となっている。通勤目的での利用は限定的で、32%が出勤時、30%が退勤時に利用しているのにとどまった。
最も多く利用されている配車アプリはグラブで、利便性の高さが評価されている。具体的には、回答者の26%が「ピーク時や早朝・深夜でも簡単に呼べる」と評価し、17%が「シンプルな操作性」を評価理由に挙げた。
また、GSMは「ドライバーの礼儀正しさと、新しく清潔な車両での快適な空間」が回答者16%の支持を得た。BEは「最もお得なプロモーション」と「料金の安さ」で、それぞれ回答者24%から評価されている。
支出面では、ベトナム人は自動車の配車サービスに月平均で24万5450VND(約1350円)、バイク配車サービスに同10万2996VND(約570円)をそれぞれ支出していることが分かった。