世界鉄鋼協会(World Steel)が発表した最新データによると、ベトナムが初めて世界の粗鋼生産量でトップ10入りを果たした。
2026年4月の粗鋼生産量は前年同月比+4%増の210万tとなり、イタリアを抜いて世界トップ10に躍り出た。1~4月期の累計生産量は前年同期比+8.4%増の850万tに達し、力強い成長を示している。
ベトナムが順位を上げた背景には、自国の生産能力向上だけでなく、中東情勢の緊迫化という外的要因も絡んでいる。これまでトップ10の常連だったイランは、紛争激化で主要な製鉄所2か所が深刻な被害を受け、4月の生産量が180万tまで落ち込み12位へと転落した。この状況が続けば、ベトナムは2026年通年でも世界のトップ10を維持する見通しだ。
ベトナム鉄鋼協会(VSA)によると、ベトナムの鉄鋼産業は過去20年間で目覚ましい発展を遂げている。2000年代初頭はビレットの輸入に頼っていたが、現在では建設用から機械製造、造船、防衛産業に至るまで、多様な需要に自国内で対応可能となった。
HPGが国内粗鋼生産の約45%を担う
2025年のベトナムの粗鋼生産量は2460万tで、東南アジア最大、世界では11位となった。この成長を力強く牽引しているのが、鉄鋼大手で多角化路線を歩むホアファットグループ[HPG](Hoa Phat Group)だ。同社は2025年のベトナム国内粗鋼生産量2460万tのうち、44.7%に相当する1100万tを生産した。
次いで、ベトナム鉄鋼[TVN](VN Steel)や台湾プラスチックグループ(フォルモサ・プラスチック・グループ=Formosa Plastics Group)傘下のフォルモサ・ハティン・スチール(Formosa Ha Tinh Steel Corporation=FHS)が大きなシェアを占める。2026年にHPGは前年比+30%増の1400万t超の生産を見込んでおり、ベトナムの鉄鋼大国としての地位は今後さらに強固なものとなることが予想される。


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