地場調査会社VIRACが発表したベトナムの製薬業界に関するレポートによると、2020年1~3月期の生産活動は堅調だった。中には、同期の生産量が前年同期比+80%余りも増加した医薬品メーカーも存在する。しかし、全体を通してみると、新型コロナ禍による供給網の混乱により、医薬品原材料の供給が不足している状況だ。
国内製薬業界では現在、原材料供給の75%を海外からの輸入に依存しており、このうち、中国とインドの2か国からの輸入量が全体の8割余りを占めている。
医薬品原材料の生産拠点が集中する中国各地における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行拡大により、工場が一時操業停止となるケースが相次いだ。一方、インドは中国からの輸入低迷で医薬品原材料の輸出を制限している。
なお、VIRACは製薬業界の動向について、特効薬の研究開発分野へのシフトや合併・買収(M&A)活動が活性化していると分析している。