シンガポール系ユナイテッド・オーバーシーズ銀行(UOB)は、2025年中に輸出と製造業が引き続き経済成長をけん引し、実質国内総生産(GDP)成長率が予想を上回ったことを受け、2026年におけるベトナムのGDP成長率予測を+7.0%から+7.5%へ上方修正した。
ベトナム統計局(NSO)の発表によると、2025年10~12月の実質GDP成長率は前年同期比+8.46%となり、前期の+8.25%を上回った。これは、コロナ禍での変動を除けば2009年以来の高い伸びとなった。成長率はUOBの従来予測(+7.2%)も上回り、2025年通年のGDP成長率は+8.0%程度となった。
成長を支えた主因は引き続き輸出と製造業だ。2025年10~12月の輸出額は前年同期比+19.0%増となり、通年では+17.0%増の4730億USD(約75兆円)と過去最高を更新した。製造・加工業の生産量は10~12月に+11.3%増、通年では+10.5%増と、2018年以来の高水準となった。
海外直接投資(FDI)も堅調で、2025年の実行額は前年比+9.0%増の276億USD(約4兆4000億円)と過去最高を記録した。観光分野では、2025年の外国人訪問者数が同+20%増の約2117万人に達し、コロナ禍以前の水準を大きく上回った。
UOBは、2025年の高成長を背景に、ベトナム経済は2026年を堅調な基盤のもとで迎えると評価し、成長率予測を+7.5%に引き上げた。一方で、統計上の高い基準値、輸出の伸び鈍化の可能性、米国の関税政策を巡る不透明感などが今後のリスク要因になると指摘した。
ベトナムは輸出がGDPの約83%を占める開放度の高い経済であり、世界的な貿易環境の変化の影響を受けやすい。特に米国は最大の輸出先で、その動向が今後の成長見通しを左右する要因となる。
こうした中、UOBはインフレ率が3%台で推移する状況を踏まえ、ベトナム国家銀行(中央銀行)が2026年を通じて主要政策金利である基準貸付利率(リファイナンスレート)を年4.5%に据え置き、慎重な金融政策運営を続けると予想している。


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