2025年の水産物輸出額は前年比+12~13%増の約113億USD(約1兆8000億円)となり、過去最高を更新した。世界貿易を巡る不透明感や、洪水などによる国内での自然災害、主要市場における規制強化といった逆風の中での達成が評価されている。
成長をけん引したのは下半期、とりわけ第4四半期(10~12月)の伸びだ。同期の輸出額は前年同期比+10.3%増の31億USD(約4900億円)超となり、12月単月では約9億5500万USD(約1500億円)に迫った。
米国による相互関税や技術的規制の強化を受け、ベトナムの水産物輸出では市場の分散が一段と進んだ。環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)加盟国向けが約30億USD(約4700億円)に拡大し、中国・香港向けも約24億USD(約3800億円)と大きく伸びた。CPTPP、ベトナムと欧州連合(EU)の自由貿易協定(EVFTA)、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定といった自由貿易協定(FTA)が、リスク分散の重要な基盤となっている。
製品構成でも変化がみられる。低価格競争に依存するモデルから、高付加価値の加工品や利便性の高い製品、持続可能性を重視した製品への転換が進み、輸出の質は着実に改善している。
2025年は国内政策面での支援も目立った。政府は政令第309号/2025/ND-CPにより、一部水産物の最小漁獲サイズ規制を一時停止した。さらに、政令第320号/2025/ND-CPで水産加工業への法人税優遇が承認された。付加価値税(VAT)法改正も、還付手続きの停滞解消を通じて、企業の資金繰り改善につながっている。
一方、最大の不確実要因は米国市場だ。2026年1月1日から、12の漁業方式による水産物について、海洋哺乳類保護法(MMPA)に基づく輸入停止措置が適用された。影響額は年間5億USD(約790億円)超とみられ、原産地証明や環境保護への対応が引き続き大きな課題となる。
2026年の輸出量目標は1000万t、輸出額は115億USD(約1兆8000億円)に設定されている。水産当局は「漁獲削減・養殖拡大」を軸に、持続可能な成長への転換を加速させる方針だ。


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