
4月1日のベトナム株式市場は、中東情勢の緊張緩和への期待や米国市場の記録的な大幅上昇といった好材料を背景に、投資家心理が大きく改善した。大型株、特にビングループ関連株への多額の資金流入が相場全体を強く牽引し、VNインデックスは力強い上昇を見せて1700ポイントの大台を回復した。市場全体に買いが波及し、前週末からの好地合いを引き継ぐ形となった。
インデックスと売買代金の動向
ホーチミン証券取引所(HSX)のVNインデックスは前営業日比+28.44ポイント(+1.70%)上昇し、1702.93ポイントで取引を終えた。ハノイ証券取引所(HNX)のHNXインデックスも同+0.48ポイント(+0.19%)上昇の251.46ポイントで引けた。HSXの売買代金は前営業日比+20.0%増加の29兆2456億VND(約1760億円)と大幅に膨らみ、優良株への強い資金流入が確認された。一方、HNXの売買代金は同▲6.6%減少の1兆9856億VND(約119億円)となった。
大型株とセクター別の動き
市場の牽引役となったのはビングループ関連の3銘柄だ。ビンホームズ[VHM]とビンコムリテール[VRE]がともに+6.99%上昇してストップ高となり、ビングループ[VIC]も+4.44%上昇した。VHMは、2026年の年次株主総会資料において過去最高となる売上高および利益目標を掲げ、現金60%と株式100%の高水準な配当計画を発表したことが投資家から好感された。
セクター別では証券株の活況が目立ち、SSI証券[SSI]が+3.53%、VNダイレクト証券[VND]が+2.85%、ホーチミン市証券[HCM]が+3.52%、サイゴンハノイ証券[SHS]が+4.79%上昇した。
航空株ではベトジェットエア[VJC]が+6.99%のストップ高となり、ベトナム航空[HVN]も+5.16%上昇した。
銀行株も総じて堅調で、ベトナム投資開発銀行[BID]が+2.16%、ベトコムバンク[VCB]が+1.55%上昇した半面、サイゴンハノイ銀行[SHB]は▲2.25%下落した。また、個別銘柄ではゲレックス電気設備[GEE]が+4.81%上昇し、7営業日連続の急反発を記録している。
一方、中東の緊張緩和見通しによる原油価格の下落を受けてエネルギー株や肥料株は軟調に推移した。ビンソン製油石化[BSR]が▲4.88%、ペトロベトナム・カマウ肥料[DCM]が▲6.21%、ペトロベトナム化学肥料[DPM]が▲3.18%下落し、ペトロベトナム・テクニカル・サービス[PVS]も▲1.71%下落した。
海外投資家の動向
海外投資家は全体で売り越しを維持した。HSXでは8676億VND(約52億円)の売り越しとなり、15営業日連続の売り越しを記録した。主にビングループ[VIC]、FPT情報通信[FPT]を売り越した。反面、マサングループ[MSN]、ホアファットグループ[HPG]を買い越した。HNXでは1810億VND(約10億円)の買い越しとなった。
今後の見通し
3月31日の米国主要株価指数が2024年5月以来となる記録的な大幅上昇を見せたことや、中東情勢における緊張緩和への期待が、引き続きベトナム市場の投資家心理を支える強い要因となっている。原油価格の落ち着きはインフレ懸念を和らげ、航空株など恩恵を受けるセクターへの買いを誘発した。国内でも、企業の業績拡大や高水準な配当政策への期待から、引き続き大型株を中心とした資金流入が継続するとみられる。ただし、指数が節目の1700ポイントを回復したことで、急ピッチな上昇に対する短期的な利益確定売りや戻り待ちの売り圧力には警戒が必要だ。

